「地力(ちりょく)」とは何でしょうか?土づくりに欠かせないものとして挙げる方は多いと思いますが、その実はっきりと地力とは何かを答えられる方はあまり見かけません。
調べると「その土地が農作物を育てる生産力。」とのこと。すごくざっくりしています。ぶっちゃけてしまうと地力というのは生産者にとって便利な言葉です。
——なんでこんなによくできるんですか?
——いやぁ、この畑には地力があるからね。
——なんでこんなに小さいニンジンしか作れないんだろう?
——う~ん、この畑は地力が低いから、ニンジンを作るポテンシャルがないんだな。
良くも悪くも、地力の「せい」にできてしまう。
もうここで、勝手に定義してしまいましょう。
地力とは、その土地が持つ肥料成分の総量である
ここでいう「持つ」とは、その土地の土壌に吸着している成分もしくは未分解の成分、微生物の体として生きているものをいう。
豊かな土壌とは豊かな生物相を意味しています。豊富な微生物は肥料成分として土に還っていき、植物が利用して、人間が畑にその使った分を戻すことで初めて循環します。取りっぱなしでは地力が失われていき、土地が痩せてしまう。段々と野菜がとれなくなっていきます。
なら畑から出ていく分、植物が利用する成分とはいったい何なのでしょうか?
今まではN・P・K(窒素・リン酸・カリウム)でよかったのですが、実はそれ以外にも、植物が吸収して畑から出ていく成分があるのではないでしょうか?
それに気が付かないと畑から出ていく成分を戻せないですから、結果として地力が落ちてしまいますよね。
次回は、その成分について書いてみたいと思います。